偽島とPOSTMANでの活動記録
(どうもIE以外推奨らしい。
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クローヴィスが目覚めるとこの。
新幹線の中で携帯で打ったのを修正したので続きのトコにうp。
情景描写のリズムが下手で泣ける。
精進したい・・・
新幹線の中で携帯で打ったのを修正したので続きのトコにうp。
情景描写のリズムが下手で泣ける。
精進したい・・・
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洞窟の幽霊なんて。
ありがちな噂。
そんなのいるわけないし、その洞窟に足を踏み入れているのも、
ただ傍まで来たから、嘘を暴いてやろうって。思っただけで。
洞窟の先が子供の自分くらいしか通れない細さだったときは、ゴクリと喉がなったけど。
興味心はなにを殺すって、かーさんは言ってたっけ。
いやそんなこと考えるな。
何もないって。
もうちょっと行ったら引き返せば…
ふと。
変な臭いがした。
洞窟の淀んだ空気とも違う、酷い臭いと、それに混ざった外の森の臭い。
惹かれて。
進む
進む
進む
…
少年は口をポカリと開けたまま、その広くなっている空間の入り口で立ち尽くした。
天井の小さな穴から落ちた光が当たりをぼんやりとその目に見せる。
まず目に入ったのは白い人の肌だった。
白くても死者には見えない…唇は生きた赤色をしていたし、
呼吸…眠ってるのだこの人は…呼吸のたびに小さな寝息が聞こえて肩が微かに動くのが見えた。
だんだん全体に目が行くと、それは銀色の髪をした男の人で黒い布をまとっていることがわかる。
さらにそのまわりには大小の獣の朽ちた骨がその人に寄り添うようにあった。
皮がこびりついた、臭いを放つ不気味な骨の中で、
その人は丸くなってスヤスヤと眠っているのだ。
遅れて少年を恐怖が襲った。
「あっ」
喉から勝手に声が漏れ、離れようと焦る気持ちに足がすくむ。
両手は岩壁を押しなんとか足をそこからひきはがそうとするが、ガクガクと震える膝が足を地面に縛り付ける。
天井の穴からの光が、一瞬、強くなって。
そっと。
男が目を開ける。
睫が、
弱い光にもキラキラと輝いて見えた。
「近くの村の子…?」
口を聞いた。
少年は「ヒッ」と息をひきつらせてやっと逆を向き走り出すが、一瞬で腕を掴まれて凍りつく。
離れていたはずなのに今はこんなにも近い。
男が動いたのかと思ったが、実際は少年の体が男の近くへ移動したのだ。
しかしおびえる少年を気にする風でもなく、男はその手首を掴んだまま半身を起こして軽く伸びをした。
そしてそっと、もう片方の手で少年の顔に触れる。
「君は強い子だからね。ちびっちゃダメだよ。」
男は銀色の目を細めて言う。
「ね。君は知ってる?昔ね、村で掘ってた鉱山から毒がでた。
人は隣の川から水をひいたけど。獣はその水を飲んで死んだんだよ。」
男の言う声は優しくて、触れた手には寝起きらしい温さがあって。
少年は足の震えが治まるのを感じる。
「今は“いつ”なのかな?眠っていたのでわからないんだ。」
少年は男の動く唇をじっと眺めたあとに、ぐっと拳を握ってから言った。
「春です!!!」
うわずった大声に男が目を丸くする。
そして、
とても素晴らしいことがあったかのように顔をほころばせた。
「春か!それはいいね!」
男が笑ったまま自分の唇を指差すと、すっと天井から明かりが落ちてるところを指を向ける。
キラキラと小さな光が飛んだかと思うとそこに水晶が現れて、光が反射して洞窟を明るく照らした。
少年はまぶしさと美しさに目を細める。
目が慣れて改めてあたりを見渡せば、強い明かりに照らされた骨達も(男も)不気味さを減らしたように思えた。
「春かぁー!」
男はパンと手を合わすと大きく広げる。
洞窟中が、
草花で一瞬で満たされた。
「君が来たのは良いタイミングだな。この子達ともお別れだ。
さよなら。大好きだった」
男は小さな芽に包まれた緑の骨達に順にキスをする。
風がどこからか吹いてきて、さわさわと草も髪も平等に揺らした。
「君もいつかは骨になるね。それまでにまた会えないかもだから。君もさよなら」
男はそっと少年の頭にもキスをする。
「気をつけて帰って。ここにもう来ちゃダメとかは言わないけど。来るときはお花を持って来てね」
辺りを花まみれにした男はそれだけ言うとついっと天井の穴を見て、
次の瞬間には十匹ほどの黒い小鳥になってその穴から出ていってしまった。
end
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